東海道鳴海宿 | 桶狭間合戦ゆかりの鳴海城跡と砦群そして笠寺観音

東海道鳴海宿 | 桶狭間合戦ゆかりの鳴海城跡と砦群そして笠寺観音

東海道鳴海宿 | 桶狭間合戦ゆかりの鳴海城跡と砦群そして笠寺観音

 

 

東海道有松宿から40番目の宿場町・鳴海宿へと向かいます。(共に名古屋市緑区)。よく見ると東海道のモニュメントが道路に埋め込んでありますね。

 

 

もくじ

 

 

 

 

 

 

平部町常夜灯


東海道40番目の鳴海宿の東の入り口に平部町常夜灯があります。

 

 

文化三年(1806)に設置された常夜灯で、表に秋葉大権現、右に宿中為安全、左に永代常夜灯、裏に文化三丙寅正月の文字が刻まれています。

 

 

ここから鳴海宿の始まりです!

 

 

>>平部町常夜灯の地図

 

 

 

 

 

 


宝暦十年(1760)に創建された金剛寺。町並みの中にある寺だけに江戸時代には寺子屋として使われていたとか。

 

 

 

 

 

 


応永三年(1396)、鳴海根古屋(鳴海城)城主・安原宗範が創建したと伝わる瑞泉寺。もとは瑞松寺といい、堂宇は鳴海の豪族・下郷弥兵衛の援助により宝暦五年(1755)に完成しました。

 

 

東海道を歩いていて、一際目立つ寺院です。

 

 

 

 

 

 


早朝の鳴海宿。静かです。

 

 

 

 

 

 


和菓子屋・菊屋茂富の前で東海道が折れ曲がっています。曲尺手(かねんて)です。

 

 

この折れ曲がりは軍事上の理由といわれ、もし大名が軍を率いて東海道を通る時、わざと折り曲げた道の側面から攻撃するための仕組みとも言われています。

 

 

岡崎宿や吉田宿など城下町の宿場でよく見かけます。

 

 

 

 

 

 


緑区生涯学習センター前に東海道の看板が建っています。

 

 

ここは江戸時代、鳴海宿の問屋場でした。その後、鳴海町役場になった歴史があります。

 

 

 

 

 

 

鳴海宿高札場跡


本町の信号付近で足元を見てみると…なんと高札場跡?!しかも復元高札場が70m向こう側に??

 

 

 

 

 

 


ありました!

 

 

高札とは幕府が決めた新しい法(ルール)を町人に示す札を掲げた場所。この鳴海宿高札場にもいくつか札がありますね。

 

 

>>鳴海宿高札場跡の地図

 

 

 

 

 

 

鳴海城跡


高札場から更に北側の坂を登って行くと鳴海城跡があります。

 

 

この地にはもともと成海神社(なるみじんじゃ)がありましたが、瑞泉寺を建立した安原宗範が応永年間(1394〜1427)に築城しました。

 

 

桶狭間合戦では今川軍の城となりましたが、その堅固さに織田信長も力攻めにはせず、周辺に丹下砦、善照寺砦、中島砦を築いて兵糧攻めにしたほどです。

 

 

かつての城の範囲は、道路を挟んだ反対側の公園までといわれています。

 

 

>>詳しい鳴海城跡レビュー記事

 

 

 

 

 

 


蛤(はまぐり)地蔵尊がある如意寺。

 

 

昔は本町、作町の交差点近くまで海が迫っており、蛤がたくさん獲れよく食べられていたとか。

 

 

その蛤を供養するためのお地蔵さんです。

 

 

 

 

 

 


作町交差点で東海道は多きくL字形に曲がり北に向かいます。

 

 

 

 

 

 

丹下町常夜灯


寛政四年(1792)、篤志家の寄進により鳴海宿の西の入り口に建てられた常夜灯。

 

 

表に秋葉大権現、右に寛政四年□□、左に新馬中、裏に願主重因と刻んであります。

 

 

鳴海宿には東の入り口に平部町の常夜灯もあり、宿場の東西の入口に常夜灯が残っている例は旧宿場町として貴重です。

 

 

ちなみにここでいう地名の丹下(たんげ)とは、桶狭間合戦時に織田軍が築いた丹下砦の丹下です。

 

 

>>丹下町常夜灯の地図

 

 

 

 

 

 

鉾ノ木貝塚


丹下町常夜灯を過ぎると鉾(ほこ)ノ木貝塚という看板を発見!

 

 

貝塚?こんな内陸部に?

 

 

実は江戸時代までこの周辺は海で、太古には住人のゴミ捨て場だった貝塚があったのです。

 

 

現地看板によると縄文時代早期〜前期にかけての貝塚で、貝層では主にハイガイが見つかっています。

 

 

その他、縄文のある時も発見されています。

 

 

>>鉾ノ木貝塚の地図

 

 

 

 

 

 

千鳥塚


鉾ノ木貝塚を過ぎたところにある千句塚(せんくづか)公園には、松尾芭蕉の筆で千鳥塚と刻まれた石碑があります。

 

 

これは貞享四年(1687)に完成した歌仙の記念に作ったものdえ、松尾芭蕉存命中に建てられた唯一の翁塚とのこと。

 

 

私は俳句のことはよくわかりませんが、貴重な石碑みたいです。

 

 

 

 

 

 


東海道は天白川越え、名古屋市南区に入ります。

 

 

 

 

 

 


標識の隣を見てみると、東海道を示すの看板がありました。

 

 

 

 

 

 


東海道を示す石碑と思いきや、側面を見てみると知多郡道と刻まれています。

 

 

現在の知多半島へ向かう街道が分岐していたのですね。

 

 

 

 

 

 


東海道の歩道沿いに設置してある東海道分間延絵図(とうかいどう ぶんけんのべえず)のモニュメント。

 

 

東海道分間延絵図とは、幕府が東海道の状況を知るために道中奉行に命じて作らせた東海道の詳細な絵地図。

 

 

ここに設置してあるのは有松宿〜宮宿の間で、知多郡道が分岐している現在地も記述されています。

 

 

>>東海道分間延絵図の地図

 

 

 

 

 

 

笠寺一里塚


名古屋市内に唯一残る東海道の一里塚。これが笠寺一里塚です。

 

 

片方しか残っていませんが大きな一里塚です。ちなみに笠寺一里塚は国や県の指定史跡ではありません。

 

 

>>笠寺一里塚の地図

 

 

 

 

 

 

笠寺観音


尾張四観音のひとつ笠寺観音。

 

 

正式な名称は天林山笠覆寺(てんりんざん りゅうふくじ)。笠寺観音というのは通称です。

 

 

最初は小松寺として天平年間(729〜49)に創建され、延長年間(923〜31)に藤原兼平が堂宇を再興し現在の寺号に改めました。

 

 

戦国時代も尾張と三河に影響力があり、幼少期の徳川家康(竹千代)が当時敵方であった織田氏に捕まった時、ここで人質交換として釈放された歴史があります。

 

 

>>笠寺観音の地図

 

 

 

 

 


笠寺観音前はS字カーブになっているので車に気をつけましょう。このカーブの上は台地状になっており商店街もあります。

 

 

このまま西へ進み、熱田宿へと向かいます。

 

 

 

 

 

 

攻略ポイントと感想

今回紹介したコースを電車を使って歩くなら、名鉄・有松駅〜本笠寺(もとかさでら)が便利です。所要時間は約2時間。

 

 

歩く時の注意点ですが、途中にある鳴海宿の作町交差点(蛤地蔵尊がある如意寺周辺)から、丹下町常夜灯の先くらいまで道が細くなり歩道もあるきにくいため、車や自転車に注意しましょう。

 

 

天白川を越えて南区に入ると、東海道を示すモニュメントや道標の石碑も増えるので、分かりやすいと思います。

 

 

今回のコースは途中にコンビニも点在しているので、こまめに水分補給や休憩をしながらゆっくり歩いてみましょう。

 

 

 

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