江戸時代の食や習慣を漫画で表現!大江戸食べコロジー
■出版社 リイド社
■著者 ラズウェル細木
■価格 600円+(税)
■一言でいうと 江戸時代の食や習慣の漫画
江戸時代の食事や習慣についてはいろんな本が出ていますが、それを漫画家したのがこの大江戸食べコロジーです。
ストーリー仕立てになっており、最後は主人公もそれなりに成長するという、ハッピーエンドで終わっています。
この漫画の主役は、武家の息子・新兵衛(しんべえ)。
子供の頃より、武士としてそれなりに恵まれた生活をしていたのですが、蘭学(西洋医学)の医者になることを目指し、家を飛び出し、町人達の住む長屋に引っ越して来ました。
しかし世話人に囲まれて育った新兵衛は、自分たちで生きていく町人の世界になかなか馴染めず、挫折も多い。
そんな中、かつての傅役(もりやく:教育係)の爺(じい)や、新兵衛に想いを寄せる娘・お雪、そして長屋の人たちに助けられながら、江戸の町人として成長していきます。
ゲームで言い換えれば、経験値ゼロの主人公が、いろんな体験を重ねてレベルアップしていく様な物語です。
私達が江戸時代を聞くとTVの時代劇を思い浮かべますが、この大江戸食べコロジーは、テレビの時代劇では触れないような掘り下げた時代考証を見ることができます。
例えば町人が住む長屋へは毎日、いろんな行商人がやってきました。納豆、しじみ、アサリ、卵、野菜、醤油など。
だから町人たちはその日に食べるものだけを買えばよいだけで、例えば冷蔵庫など食べ物を貯蔵するものは必要なかったのです。
これってある意味、豊かな生活ですね。
また中には、江戸の新兵衛が爺と共に駿河(静岡県東部)の府中まで東海道を歩いて旅する話があり、江戸時代の旅行の様子も描かれています。
また話の中には現代に役立つ雑学も多数出てきます。
例えば次の通り
- 江戸時代のトイレ事情
- 寿司の歴史
- 江戸の観光名所
- 江戸の米事情
- 江戸の野菜の種類と特産地
など。
細かな地名など、東京や近郊に住んでいないとピンと来ませんが、今ではグーグルマップで検索もできますね。
この大江戸食べコロジーは、東海道ウォーカーはもちろん、宿場巡りに興味が有る方、または江戸時代が好きな方に是非読んで頂きたい一冊です。
活字だらけの本が読みにくいという方でも、漫画なので楽しく読み進めることができると思います。
まずは近所の書店で探してみてください。もし無ければネット通販でも購入できます。
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