美濃路清須宿 | 織田信長ゆかりの清洲城があった宿場町

 

 

枇杷島（びわじま）橋で庄内川を渡り、美濃路の次の宿場・清須宿を目指します。枇杷島橋は歩道が広いので歩きやすいです。

 

 

 

 

 

 

 

江戸時代の枇杷島橋は現在の場所よりも東側にありました。かつての枇杷島橋があった場所に行くと、濃尾大根と美濃路の道標があり、次のように彫られています。

また隣の大きな大根を抱えている石像は、江戸時代にこの周辺に青果市問屋があり、その賑わいを示したもの。

 

 

＞＞道標の地図

 

 

 

 

 

 

東海道本線（JR）と新幹線の高架をくぐると、まっすぐな美濃路が通っています。歩道が細いので歩く際には車に注意ですね。

 

 

 

 

 

美濃路沿いから見える山車蔵（だしぐら）。この周辺は旧西枇杷島町で、尾張西枇杷島まつりでは町内５輌の山車が出てまつりを盛り上げます。

 

 

＞＞尾張西枇杷島まつり | 清須市観光協会

 

 

 

 

 

明治初期に建てられた青物問屋・山田九左衛門家の住居を移築復元した問屋記念館。

 

 

かつての青物問屋の様子が展示資料によってよく分かります。休憩も兼ねて見学してみるのも良いですね。

 

 

＞＞問屋記念館の地図

 

 

 

 

 

 

明治二十四年（１８９１）に建てられた木造三階の家。外壁はほとんど改修されているが、旧枇杷島町で太平洋戦争以前に建てられた三階建ての建物はここだけ。

 

 

平成七年（１９９５）に開催された第一回西枇杷島町まちづくり文化賞を受賞しています。

 

 

 

 

 

美濃路を歩いていると更地がありました。よく見てみると美濃路の外は低くなってます。逆にいうと美濃路が通る場所が高くなっているということですね。

 

 

 

 

 

瑞正寺（ずいしょうじ）にある日本一の宝塔。瑞正寺の北側にはかつて尾張藩の刑場があり、そこで亡くなった罪人を供養するため、２人の有志が家財をなげうち、８年かけて文化十二年（１８１５）に建立されました。

 

 

以来、処刑者がこの前を通る時、合唱拝礼し、その後処刑されたといいます。

 

 

＞＞瑞正寺の地図

 

 

 

 

 

 

民家の屋根に祠がありました！これは屋根神様といって、名古屋市を含め西尾張地区で見ることができる貴重なものです。主に津島神社、秋葉神社、熱田神宮の神を祀っています。

 

 

 

 

 

 

熱田から古渡、江川を経て美濃路３つ目の一里塚跡です。かつてはこの一里塚橋の両脇に小塚があって、榎の老樹も残っていたそうですが今では用水改修で何もありません。

 

 

石碑は旧新川町制５０周年記念として昭和三十年（１９５５）に建立されたものです。

 

 

＞＞須ケ口一里塚の地図

 

 

 

 

 

 

正覚寺の今川塚。永禄三年（１５６０）の桶狭間の戦いで、今川義元の首は織田信長に取られ、須ケ口に晒されていたのですが、後に供養のために建立されたのが今川塚です。

 

 

もとは名鉄・須ヶ口駅の近くの民家にあったのですが、正覚寺に移転されました。

 

 

正覚寺は徳川家康の四男で清洲城主だった松平忠吉が慶長八年（１６０３）に母・宝台院を供養するために建立した寺院です。

 

 

清須越しで、一度、名古屋に移りましたが、跡地に新たに大雄山正覚寺として建立されました。

 

 

＞＞正覚寺の地図

 

 

 

 

 

 

土器野（どきの）の地名。土器が出土したのでしょうか？

 

 

 

 

 

 

名鉄・丸の内駅を越えて高架を潜った先にある松並木の看板。

 

 

太平洋戦争まではこの高架から丸の内駅までの間、道側の両脇に松並木があったそうです。

 

 

 

 

 

 

五条川に架かる五条橋（五條橋）を渡ります。五条橋は清洲越しの際に名古屋に移りましたが、後に再建されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清凉寺の門前がT字になっていますが、ここから先が清洲宿の中心地でした。美濃路もこのT字を右折しています。

 

 

 

 

 

清洲宿は元は一場桑名町にありましたが、寛文八年（１６６８）の大火後、現在地に移転しました。

 

 

本陣は将軍上洛、大名参勤、朝廷の勅使、朝鮮・琉球使節、お茶壺の参府、また大象の下向などの宿泊所となり、明治十一年（１８７８）には明治天皇一行も休憩されました。

 

 

明治二十四年（１８９１）の濃尾地震で建物が倒壊し、火災に遭い、わずかに残されたこの門のみが縮小して再建され、唯一の清洲宿本陣遺構として残っています。

 

 

＞＞清洲宿本陣跡の地図

 

 

 

 

 

 

本陣の１本北側の路地は、かつての八神街道（やがみかいどう）。現在の岐阜県羽島市に抜けています。尾張藩の家老だった毛利氏が、名古屋へ登城する道ちょして開かれました。

 

 

 

 

 

 

本陣があった場所から東側に清洲公園と清洲城があるので、街道ウォークの際にも見学、休憩できます。

 

 

清洲城は名古屋城が完成した後に廃城になったので、美濃路に清洲宿が開かれた時にはすでにありませんでした。

 

 

現在の天守は平成元年（１９８９）に完成したものです。天守では武将隊によるおもてなしや、パネル展示、隣の書院では甲冑試着体験なども楽しめます。

 

 

 

 

 

また毎年１０月に開催される祭りでは、アルミの甲冑を来た市民の武者行列や古式火縄銃演武も開催されます。

 

 

 

 

 

 

美濃路に戻り先に進みます。これは織田信長の菩提寺・興聖山�ﾊ見院（そうけんいん）。

 

 

信長の次男・織田信雄が消失した本能寺跡から持ち帰った、信長の焼き兜などを所有しています。

 

 

＞＞�ﾊ見院の地図

 

 

 

 

 

休憩にちょうどよい北市場美濃路公園には、ベンチやトイレもあり、美濃路に関する看板も建っています。

 

 

弁当もここで食べることができます（ゴミは持ち帰りましょう）。

 

 

＞＞北市場美濃路公園の地図

 

 

 

 

 

 

 

北市場美濃路公園から道路を渡ったすぐ右の路地に役所橋があります。この橋の先には江戸時代中期に代官所が置かれていました。

 

 

天明三年（１７８３）にこの周辺に設けられた代官所は、明治元年（１８６８・６９）に廃せられ、現在は建物の一部を個人が管理しています。

 

 

またこの辺りは今でも『オジンヤ』、『ジンヤアト』などと呼ばれています。

 

 

＞＞清洲代官所跡の地図

 

 

 

 

 

今回のコースは清須市をタップリと歩きましたね。電車で訪れるなら名鉄・東枇杷島駅で降り、帰りはJR清洲駅、もしくはそのまま美濃路を楽しんでJR稲沢駅がオススメです。

 

 

私の感想ですが、清洲宿は本陣の門くらいしか遺構が残っておらず、また脇本陣や問屋場跡等の石碑も無いので、宿場内としては少し物足りない気がしました。

 

 

そんな時は時代が違いますが清洲城をセットにして楽しむと良いです。

 

 

清洲城の天守最上階は展望台になっており、東西南北の濃尾平野を一望できる絶景スポットです。