ひつまぶしで有名な名古屋市熱田区の蓬莱軒は本陣跡だった!宮宿の赤本陣跡
ひつまぶしで有名な名古屋市熱田区の蓬莱軒本店。店の壁を見てみると蓬莱陣屋(ほうらいじんや)と書かれています。じつはこれ、東海道宮宿の本陣跡という意味なのです。
宮宿の赤本陣跡
蓬莱軒の駐車場に建っている看板です。
宮の宿赤本陣跡
宮の宿は熱田宿とも呼ばれ、勅使や大名、旗本らの公用の宿泊施設である本陣が二軒あり、赤本陣と白本陣と呼んで区別していた。本陣職を承った者は土地の有力者に限られ、代々世襲で、赤本陣は南部新五左衛門が努め、苗字帯刀を許されていた。
天保年間(1830〜44)の『東海道宿村大概帳』によれば建坪235坪となっており、南部家の記録では間口約16間、奥行き21間であったと記されている。戦災によって本陣の遺構は全くない。
名古屋市教育委員会
本陣とは
本陣とはその宿場で一番格式が高い宿。大名、公家、幕府要人など現代で言うVIPしか宿泊することができませんでした。宮宿は東海道最大の宿場であり、美濃路、佐屋街道の宿場も兼ねていましたので、本陣も2つ必要だったのでしょう。そのうちのひとつがこの赤本陣です。
もうひとつの白本陣跡
それではもうひとつの白本陣の場所はどこ?ということですが、現在のファミリーマートナカムラ伝馬町店あたりです。太平洋戦争の戦災で無くなっており、こちらも遺構は残っていません。
私の感想
名古屋市では有名な蓬莱軒本店がかつての東海道宮宿の本店ということは、街道ウォークをするまで知りませんでした。今回の事例みたいに有名な場所でも実はかつての歴史的な建造物があったなんていうのは、もっとあるのかもしれません。
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