江戸時代の旅と暮らしのウンチクが満載!東海道・中山道
■発行 静岡新聞社
■編集者 新田時也
■価格 1,600円+(税)
■ひとことでいうと 江戸時代の旅と暮らしのウンチク本
江戸時代の庶民の旅事情と生活、文化を分かりやすく解説したのがこの東海道・中山道です。
街道は現在でも多くの史跡が残っていますが、そこから当時を連想するのは難しいもの。
そこで活用したいのがこの本です。
まずこの本のポイントは何かと言うと、旅のウンチクでしょう。つまり現代でいう旅行ノウハウ。
今だって、海外旅行する時、行ったことがない国に旅行に行く際、ネットでその国の事情とか食べ物、また通貨に関して調べますねよ。
でも江戸時代は今みたいにインターネットが無かったので調べるにしても紀行本とか、行った事がある人の経験談でしか知識を得ることができませんでした。
そんな中、旅に出るのですから、当然トラブルや想定外の出来事もあるんです。そういった旅の事情をウンチクとして解説しています。
ふたつめの特徴は、オールカラーで見やすいということ。
中には近代の白黒写真もあるのですが、基本、カラー写真で解説していますので非常に分かりやすく伝わります。
今のネット社会を意識した作りなのでしょう。これは歓迎ですね。
個人的に気になったのが食に関するウンチク。
東海道、中山道の名物はもちろん、私が特に興味を惹かれたのは駿河湾の桜エビ。
かつて東海道の名物にもなった桜エビですが、その発見も偶然に近く、また昭和・平成で開発が進む沿岸で地元の人たちの葛藤など、ちょっとしたドキュメンタリーで知ることができました。
正直、流通が進化した現代では内陸部でも食べることができる桜エビですが、これを読むと是非、東海道沿いの地元で食べたくなります。
こういったその土地独自の食べ物のウンチクって、特に旅行者には大事ですね。
東海道をはじめ、中山道など街道を巡る時、知っておくと倍楽しめる知識がたくさん詰まっている本です。
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